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七転八起「説明的になりすぎないということ」
2023.07.18皆さんこんにちは。
長崎のデザイン事務所「デザインアルジュナ」よりスタッフの大坪です。
これまで弊社がお手伝いした制作物の過程をブログにしてきたのですが、
マンネリ化してきたな〜と言う気持ちもあり、今回はちょっと視点を変えて躓き話を交えながら綴ってみようと思います。
以前ブログでガーデンカルチャーコウダ様のDMについて書いたのですが、
今回はその過程で一番苦労している絵作りにスポットを当ててみようと思います。
(ちなみのその過去記事はこちらから)
情緒を纏わせる
実は私、大学時代はデザインではなく、絵画を専攻していました。
なので、人よりも少しだけ絵が描けるという自負はあったのですが、商業向けのイラストというのはこれまで全く描いたことがありません。
なので、まずその違いに最初は戸惑ったりしたものです。
さらに、ガーデンカルチャーコウダ様のDMやカレンダーは、規則的な図形を用いて可愛らしい絵作りをしていきます。
私は昔からのクセでどうしても説明的になりすぎてしまう嫌いがあり、毎回そこを指摘されてしまいます。
さらにさらに、2023年のカレンダーのコンセプトは「物語と共に季節をめぐる」
という物語のワンシーンを切り取って情緒を纏わせる超絶難解なテーマを提案してしまいました(自分で自分の首を絞めていくスタイル)
ダメだしに応える
さてさて案の定、絵作りに苦労して地獄を見たので、その過程を12月のページを例に順を追って解説してみます。
①まず12月のページに掲載する物語を決めます。
12月と言えばクリスマスなので、ハンス・クリスチャン・アンデルセン著の「モミの木」の一コマを描くことにしました。
切り取るシーンはモミの木を動物たちが囲むシーンです。
②シーンを決めたら画に起こすために、参考の図柄を探します。
大体Pinterestなどでピン立てをしてストックしておくことが多いです。
この時はこの辺にピンを立てていました。
③参考の図案を元に実際に作業していきます。
レトロ印刷さんでの印刷なので、インクの重なりや抜けなどに気を遣いながら制作していきます。
この時点で大分頭がパンクしそうです。
当初ピンの右側にあるネズミのいるモミの木の画を参考に制作し、社内ミーティング内での一度目の提案はこちらで提出しました。
ダメだしその1「繰り返しが多く、変化が無くてつまらないね」
痛いところを突かれすぎて何も言えませんでした…。
規則性は守りつつも、絵として面白くなければ意味がありません。
何度かやりとりをして次に提出したのがこちらです。
大分面白みが出てきたのではないでしょうか?
ダメだしその2「あまり意味のない図形があるね、面倒くさがらずに違う図形を入れてみよう」
ズボラな性格を見抜かれてしまいました…。
上からさらにPinterestや図形の本などをなめ回して最後に出来上がったのがこちらです。
一見どこが変わったのか分からないかもしれませんが、よく見るとひとつ前にあったかまぼこ形のモチーフがなくなり、それぞれ違うものに変わっています。
かなり苦労はしましたが、最終的には深みが出て、ストーリーの広がりを感じられる絵に仕上がりました!
最高を更新していくということ
最終的には樹世さんと他のスタッフに手伝って貰いながら全てのページの充実度が上がり、めくるのが楽しみになる仕上がりになりました。
クライアントであるコウダさんからも「これまでのカレンダーの中で一番素敵!」と太鼓判を押していただけました。
来年このクオリティを超えられるのか、、ハラハラしながらも楽しみです。
今回に限らず、出来上がったときは最大限の最高を持って納品させて貰うのですが、しばらくして見返してみると「こうすればよかったな」「もっとここはこうできたな」など反省点が見つかってきます。
それはきっと成長していることでもあると思うので、ネガティブに考えすぎずに前進していく気持ちを忘れないようにしたいですね。
それでは今日はこの辺で、次回の七転八起もどうぞお楽しみに〜!!