こんにちは!長崎のブランディングデザイン事務所アルジュナのササダです。
私はいま、ブランディングやデザインの現場で「ディレクター」という肩書で仕事をしています。
営業成績よりも、“伝わること”が気になっていた
もともと私は、印刷会社の営業としてキャリアをスタートしました。
なぜその仕事を選んだかというと、大学時代のコンビニのアルバイトで感じたある出来事がきっかけでした。
自分の作ったPOPひとつで、お客さんの足が止まり、手に取る商品が変わる。
「伝えるって、面白い」「伝わったときの反応が、何よりうれしい」。
そんな感覚が、僕の中にずっと残っていた気がします。
けれど現実は、想像していた“伝える仕事”とは少し違いました。
「もっと提案しろ」「数字を上げろ」と言われる中で、クライアントとデザイナーと印刷現場の間に立ち、日々のやりとりと納期調整に追われる日々。
気づけば、目の前の数字をこなすことで精一杯になっていました。
「デザイン」は、コミュニケーションの仕事だった
最初の頃は、正直うまくいきませんでした。
私はサラリーマン時代と同じように「依頼を正確に伝えること」が仕事だと思っていて、デザイナーとうまく噛み合わないことが多かった。
でもある時、気づいたんです。
“仕事を手離れよく進めよう”とする私のスタンスが、デザインという仕事の本質とズレていたことに…
デザインとは、ただ「見た目をつくること」ではなく、人と人、企業と顧客の間にある想いや価値を翻訳し、伝わる形に設計する仕事だと、今は思っています。
クライアントの言葉や想いに共感し、デザイナーと深く対話し、価値をかたちにしていく。
そこに妥協も近道もないということを、ようやく体感として理解しはじめました。
届けるために、まず「整える」
今の私の仕事は、簡単に言えば、誰に・何を・どう伝えるかを整えること。
ロゴやWeb、パッケージ、コピーなど、いわゆる「デザイン」や「表現」の前に、その設計図を描くのがディレクターとしての私の役割です。
「整える」って聞くと、少し地味に聞こえるかもしれません。でも、ここを丁寧にやるかどうかで、その先のクリエイティブの精度は大きく変わると思っています。
現場に足を運び、声を聞く
私たちが関わるのは、地元の商店や老舗企業、ベンチャー、行政などさまざま。でも、どんな業種であっても、現場に行って話を聞くと、 “らしさの種”が見つかります。
社長が語る創業の話、スタッフが持っている日常の気づき、お客様からの声や手紙。
それらを丁寧にすくい上げて、伝わる言葉に変換し、世界観を設計していく。
ときには、社内でくすぶっていた想いが、私たちとの対話をきっかけに可視化されて、チームの気持ちがひとつになることもあります。
「いい感じ」より「意味のある一貫性」
表面的なかっこよさではなく、「らしさ」が滲むデザインをつくるには、全体に一貫した意図が必要です。
「誰に」「どんな価値を」「どの場面で」「どう伝えるのか」。
この4つを常に意識しながら、ロゴやコピー、トーン、Web構成、SNS投稿にまで一貫性を持たせる。
たとえば、「優しさ」がブランドの価値だとしたら、文字のトーンも色も接客の言葉も、そこに統一感がなければ伝わらない。
だからこそ、「いい感じですね」ではなく、「なぜそう表現したのか」を言語化できる状態にしておきたいと思っています。
職人の力を信じて、チームでつくる
アルジュナは、グラフィック・Web・映像・ライティングなど、それぞれの分野に長けた“クロコ職人”であるチームで取り組みます。
私はその職人たちと、クライアントとをつなぐ橋渡しとして、それぞれの強みが最大限に発揮されるようディレクションをしています。
ときには、予算やスケジュール、社内の温度感など、様々な要素の“すり合わせ”も必要になりますが、それも全部「ちゃんと届くものをつくるため」の大切な仕事。
届けたいのは、「何をつくるか」ではなく「何を伝えるか」
印刷会社で「つくること」からキャリアをスタートしたからこそ、私は「届けること」への想いがあるのかもしれません。
ブランディングも、ロゴも、パンフレットも、ただの“モノ”じゃなくて、その奥には「伝えたい何か」があるはず。
私の仕事は、それを一緒に言語化し、形にして、“ちゃんと届く状態”に整えることだと思っています。
「何をつくればいいかわからないけど、何かを変えたい」
そんなふうに迷っている状態でも、大丈夫です。
私たちと一緒に“整えること”から、はじめてみませんか。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう!