どうも!アルジュナ広報野田ゴリラです!
ダークパターン。
いかにも怪しく悪そうな響きでしょう?
はい、そのとおり。
ダークパターンデザインと呼ばれる手法は
「ユーザーの心や行動をあざむくデザイン」のことです。
「え!でも私は騙されてないと思うなぁ〜」
と思ったあなた。
本当にそうですか?
ウェブサイトに巧みに潜むダークパターン見抜けてますか?
今回、わたくしダークパターンについて調べてきましたので自身が騙されているかどうかチェックしながら読んでみてください。
ダークパターンとは?
まずはダークパターンについて少し詳しく説明していきます。
例えば
ネットショッピングをする際にデフォルトでメールマガジンの購読にチェックが入っていて、購入ボタンを押したら勝手にメールマカジンの会員になってしまう仕組み
なんかはとてもよくあるパターンです。
大手のショッピングサイトでもこの手法が以前問題になり、現在はかなり数が減ってきています。
メルマガくらいならまだ可愛いもので、ひどいときは月額のオプションなど有料の契約にチェックが入っているパターンもあるそうです。
こういったケースは稀だと思うかもしれませんが
2021年日本経済新聞が「国内の主要ウェブサイトの6割でダークパターン的手法が確認された」と報じました。
とはいえ、難しいのは「ダークパターン」と「セールステクニック」の境目です。
ダークパターンの名付け親であるハリー・ブリグナルはこう定義づけました。
「ダークパターンとは、ユーザーを騙して何かを購入させたり、登録させたりするなど、意図しないことを実行させる、Webサイトやアプリで使われるトリックのこと」
つまりセールステクニックが顧客のニーズを探り購入のモチベーションを上げるテクニックだとすると、ダークパターンは顧客を騙す詐欺的なテクニックだと言えます。
ちなみに「騙した」とまでは言えないけど
グレーゾーンとしてよく使われるのは下記の3つです。
①心理学的価格設定
98円や198円のように価格を安く見せて消費者の購買意欲を高めることを目的とした価格設定(端数価格効果という)
②おとり広告
売る意思のない商品や実際に販売できない商品(売り切れの人気商品や契約済みの物件など)をおとりに使って集客する宣伝手法。
③閉店商法
閉店セールなどを謳って宣伝する手法。
他にも在庫一掃セールなども近いやり方。
おそらく、普段の生活で目の当たりにする手法ばかりじゃないでしょうか?
実際セールステクニックとダークパターンは白黒はっきりしたものではなくグラデーションのように変化していくのだと思います。(ちなみに僕の子供の頃10年くらい閉店セールしている店がありました)
どんなダークパターンがあるのか?
それでは、つづいてどんなダークパターンの種類をいくつか紹介したいと思います。
■スニーキング(こっそり)
スニーキングとはユーザーにとって重要な情報を隠したり、偽装したり、公開を遅らせたりする行為のことを指します。
ここでは3つの手法を紹介します。
①こっそりカゴに入れる
ユーザーの同意を得ずに、オプションが選択されていたり、商品を注文すると別の商品が付属品としてついてきたりするケースもあります。その名の通りこっそり行われるためユーザーは必要のないものに余計に支出することになります。
②隠れたコスト
商品購入プロセスの最後で予想外の料金を知らされるパターンです。
例えばチケット販売会社の場合、最初の段階ではチケット代の30000円のみだったのが、
最終的な金額が発券手数料や配送手数料で35000円に膨れ上がるような事例を指します。
もっと身近な例だと配送料も最後の決済時に表示するサイトが多いですね。
これは決済寸前で表示することでサンクコスト効果が生じるからだと言われています。
サンクコストとは「ここまでやったのだから」というすでに支払った労力の価値を引きずってしまい購入に至る現象です。
実際に最初に総額を表示してしまうと売上は下がってしまうそうです。
③おとり商法
こちらは文字通り「おとり」を餌にサービスを売る方法です。
最近だと「広告とまったく違うアプリゲーム」何かが有名ですね笑
https://darkpatterns.jp/blog/advertising_fraud/
こちらの記事で詳しく紹介されていますが、広告を見て面白そうと思ったゲームをインストールしたら全く別のゲームだったという、とんでもなく大胆な手法です。これが審査に通ってしまう広告媒体の仕組みも問題ありですね。
■アージェンシー(緊急性)
こちらは緊急性や締切を訴求することでユーザーに購入を促す手法です。
適切な方法であれば問題ないのですが、ダークパターンの場合「偽りの緊急性」を打ち出します。
先ほど紹介した「閉店商法」もアージェンシーの一種ですね。
ウェブサイトだとフラッシュセールと題して「カウントダウンタイマー」を表示させ、カウンターが0になったらリセットされ最初からカウントが始まる手法や「期間限定セール」と銘打って肝心の期間を明記しない手法もダークパターンと言えるでしょう。
そして、緊急性のダークパターンは強力である調査ではコンバージョンが8%近く上がったというデータもあります。故に様々なECサイトで乱用されてしまう状態が起きてしまいました。
■ミスディレクション(誘導)
こちらはより心理的な要素が強い手法です。
いくつか代表的な手法を紹介します。
①コンファームシェイミング(羞恥心の植え付け)
通常、ユーザーへの選択肢を迫る場合は「はい・いいえ」で選択させるのが一般的ですがこちらの手法の場合、例えば健康食品の購入を迫る際に「購入するor私は健康に興味がありません」といった選択肢を迫ります(なんとも悪どい・・・)アプリのサービスを解約しようとする時に、悲しそうな動物の画像を利用し「本当に解約してしまうの?淋しいよ・・・」といったボタンを押さないと解約できない、といった子供だましのような方法も存在します。
②視覚的干渉
皆さん一度は目にしたことがあると思います。
解約ボタンなど企業にとって都合の悪いボタンが薄いグレーで見にくくなっている状態を。
視覚的なデザインの部分を都合の良い部分だけ強調することを指します。
他にも「はい・いいえ」のデザインパターンを課金ページのみ逆の「いいえ・はい」にすることで誤操作を誘導する方法も視覚的干渉に含まれます。
その他にも悪どい方法として、スマホサイトのバナーデザインで「髪の毛」や「画面の汚れ」をデザインの一部とすることで誤タップさせる方法もあります。なんてこったい。
ダークパターンは最終的に損をする

これまで紹介したダークパターンがなぜ蔓延するのかというと、シンプルに「儲かる」からです。
際どい手法を続けることで購買率やコンバージョン率は確実に上昇し、解約率も下がります。
しかし、今の時代、長期的に見るとダークパターンは企業やサービスのブランド力を低下させると言われています。
例えば、大手コンビニチェーンが消費者に気づかれないよう少しずつ商品の量を減らしたりお弁当の容器の底上げを行っているとSNSで話題になり、大きく評判を落としました。
ダークパターンも同じように短期的に利益は上がるかもしれませんが現代の共有時代においてブランド価値は確実に下がっていきます。
そして制作に関わる人間として、生活者に誠実に、社会が良くなるためにデザインを活用していくのが正しい行いだと思います。
ダークパターンを学ぶことは、そういった詐欺的手法を知り、改善するためにも必要な知識です。
これからも誠実なディレクターとして仕事ができるよう実践していきます!
■ダークパターンが学べるページ
darkpatterns
https://darkpatterns.jp/
国民生活センター ダークパターンとは
https://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-202403_01.pdf
「ダークパターン」とは?ネットサービスの落とし穴 企業30社アンケート全掲載
https://www.nhk.or.jp/minplus/0016/topic062.html