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世界一メンタルの強い男デイビットゴギンズに学ぶクリエイティブ業界の生き残り方。

世界一メンタルの強い男デイビットゴギンズに学ぶクリエイティブ業界の生き残り方。

「鉄メンタル」

クリエイティブの世界には鉄のようなどんな困難でも折れないメンタルが必要とされます。

それは時に、何日も徹夜して作り上げたデザインが一瞬にボツになったとき。

永遠とも感じられる修正の繰り返しだったり。

デザイナーとプログラマーの板挟みになってボコボコにされてるときだったり。

 

僕らは日々、強いメンタルが必要とされるわけです。

諦めない心がほしい(切実)

 

そんな時、この一冊の本に出会いました。

CAN’T HURT ME(キャント・ハート・ミー)
デイビット・ゴギンズ

 

現存する人類で一番メンタルが強いと呼ばれる男。

著者のデイビット・ゴギンズは現在生きている人類で一番メンタルが強い男という少年漫画のような通り名がついています。

「えー本を売るために盛ってるんじゃない?」

とお思いの方、僕も思いましたよ。

でも読み始めると認めざる得ないんです。

はっきりいってネジが数本飛んでます。狂気的です。

まずこの動画を見てください。
https://www.youtube.com/shorts/VjqOhsINt-Y

これは世界最強の特殊部隊と名高いネイビーシールズになるための試験で、
その中でも最も脱落者が多い「ヘルウィーク」という5日間の訓練です。

5日間で睡眠時間は合計4時間程度(!)
一日20時間以上の体力訓練が続きランニングだけでも320キロ以上走ります。

実際に訓練中の死者も出る恐ろしい訓練です。

「この現代になんて非効率な訓練なんだ!逆に体力が落ちたり怪我したりするじゃん!」

って思いますよね。

 

そもそもこの訓練は「心を折ること」が目的なんです。

疲労困憊に空腹や睡眠不足、極度のストレスに晒された状態でも目的を達成し仲間を助けるといった行動ができるかどうか?
そこが試されます。

故に少しでも弱い部分を見せると鬼のような教官があの手この手で心を折に来るという、名前通り地獄のような訓練です。
その訓練をゴギンズはなんと3回もクリアしています。
一度目はヘルウィーク後に肺炎になりクリアしたあとにリタイヤ
二度目はヘルウィーク後に続く訓練で膝を骨折しリタイヤ
そして三度目にヘルウィーク後の訓練に移行することに成功し見事ネイビーシールズになります。

ほとんどの人が一度リタイヤしたら二度と受けない訓練を怪我や肺炎に負けず、不屈の精神で乗り越えるメンタルの強さ。
この時点で狂気を感じませんか?

 

安定などない、永遠とつづく無茶と努力。

大学受験合格、難関資格取得、有名企業就職など大きな目標をクリアしたらほとんどの人がゆっくりとその成果を享受するでしょう。
でも世界一メンタルが強い男は違います。

もっと高い目標をもっと自分を追い込み苦しみ強くなるためには?
と苦行を続けます。

まずシールズの特殊訓練だけではなく
陸軍レンジャースクール(Army Ranger School)

空軍のTACP(Tactical Air Control Party)
の2つもクリアしています。(どちらも地獄)

更に80キロ以上の体重にも関わらず、ウルトラマラソンに何度も出場し上位入賞も果たしています。

一番やばいのはバッドウォーター135という制限時間60時間以内に、217kmをノンストップで走り切るレースです。開催されるデスバレーは世界で最も暑い場所のひとつと呼ばれレース中の気温は50℃近くになるそうです。
その地獄すぎるレースを3度走り、2007年には3位と好成績を残しています。

まだまだ続きます。

さらなる苦行をもとめて、なぜか懸垂の世界記録に挑戦し、24時間で4000回を超える懸垂を行い当時のギネス記録を打ち立てます(その後、記録は塗り替えられていきますが80キロ台で挑戦したのはゴギンズだけ)

 

なぜそんなに頑張るのか?メンタルの強さの身につけ方。

正直、ここまでできるのは特別な運動能力があるとか、人よりも特別身体が強いとか恵まれた環境があるからだと思いませんでしたか?

実は、ゴギンズは幼少自体に凄まじい虐待を受けており母親と共に逃げ出し貧困状態での少年時代を過ごしています。軍隊に入ったときも借金まみれで決して恵まれた環境ではありません。

さらに肺と心臓が弱く、それが原因でなんども苦境に立たされています。
そんな中で
「誰も助けてはくれない、自分が自分を助けるしかない!」ということに気づきます。
その結果、圧倒的な自責思考が身につくことになります。
ゴギンズの名言にこんな言葉があります。

“You have to build calluses on your mind.”
(心にも「タコ」を作らなければならない)

常にギリギリの苦境に自分を置くことで、快適さと距離を置き、自らの心身を鍛え続けています。
そしてこう続けます。
「人間が限界と思っているときは、40%程度しか出し切っていない」
限界というのは生理現象ではなく心理現象であり、マインドセット次第で40%の壁を打ち破れるということになります。

実際にゴギンズは足が折れても何十キロも走り続けているので限りなく人間の100%に近いパフォーマンスを出している気がします笑

それではどんな訓練を行えばゴギンズみたいになメンタルになれるのか?
書籍より引用したいと思います。
・苦しみを習慣化する
・痛みを観察対象として扱う
・否定的感情を切り離す訓練を行う
・毎日鏡に映る自分と対話する(本当に限界までやったのか?など)
・日記を書く(自分の行動・感情・弱さを客観視して記録)
・走る/トレーニング(自分の限界との対話)

こうした習慣をずっと続けることで毎日少しずつ自分の限界値を上げていくイメージなんだと思います。
実際、ゴギンズは本書の中でも何度も心が折れて、絶望し、失敗もします。
漫画の主人公のような無敵感はありません。
ただ、弱さに向き合い、自分を見つめ直し自らを越えていく方法を実行しただけです。

 

クリエイティブ業界でどう活かすか?

ゴギンズの方法論やマインドはクリエイティブでも活かせると僕は思います。
例えばウェブデザイナーやディレクターなら毎日優れたウェブサイトのレビューを書き続けたり、1日1つかならずバナーを作るだったり、デザイナーの場合毎日作字でもいいと思います。

仕事の幅を広げるために、難しい資格にチャレンジしたり社会人大学に通うのもありです。
ゴギンズの言う「苦しみを習慣化する」は肉体的な部分だけではなくこうした知的活動にも同様だと思います。

ひとつひとつの仕事においても「あと一歩、もう一歩」のマインドがあるかどうかで5年、10年で凄まじい差が生まれます。
そこでの最大の敵は「自分」です。
ゴギンズから学べる最大の要素は「自分に打ち勝つ方法」だと思います。

クリエイティブ業界は常に学ぶ努力を必要とされる世界です。
昨今はAI技術の発展により、目まぐるしく需要が変化しています。
そんな混沌とした状態でも、常に先を見据えゴギンズのように自分の限界に挑戦しつづけることができれば、素晴らしいクリエイターであり続けられると思います。