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ナフサ不足…色を失った世界でも生き残るデザインとは

ナフサ不足…色を失った世界でも生き残るデザインとは

○色が消え始めている。

みなさんこんにちは。
長崎のブランディングデザイン会社「アルジュナ」の宮﨑です。

みなさんは「ナフサ不足」という言葉をご存じでしょうか。
ナフサとは、原油を精製する過程で得られる石油製品のひとつで、

いわば“化学産業の起点”ともいえる存在です。プラスチック、合成繊維、合成ゴム、

そして印刷インキ。

私たちの身の回りにあるあらゆる製品の裏側で、このナフサが重要な役割を担っています。
そんなナフサがいま、中東情勢の悪化によって供給不安に陥っています。
その影響は、じわじわと、しかし確実に私たちの生活に入り込んできています。
とくに顕著なのが、

「色」が消えていることです。

 

パッケージから色が消えた日

衝撃的だったのが、カルビーのポテトチップス。
あのビビッドなカラーリングと親しみあるキャラクターが、突如として姿を消しました。。。

まだ実物をみたことがないのですが、
決して“デザインとしてモノクロにした”のではありません。
インキ不足という現実に対する、極めて実務的な対応とのこと。

フィルムの質感はそのままに、印刷は最小限。情報は削ぎ落とされ、
ただ「ポテトチップスである」という最低限の役割だけを残している。
そこには、これまでのパッケージデザインが担ってきた“魅せる”という機能が一時的に剥奪されたような、ある種の異様さがあります。

そして同時に、どこか恐ろしさすら感じてしまう。。。
まるで、情勢の不安定さそのものが、そのままパッケージに投影されているかのよう。

 

○制約が生む、美しさってあると思うんだ。

しかし一方で、モノクロという制約の中でも、強く惹かれるデザインが存在するのも事実です。
たとえば無印良品。
前に記事でも取り上げさせて貰っています。
記事リンク:https://arjuna.jp/blog/takuya-miyazaki/%e8%83%8c%e7%ad%8b%e3%81%8c%e4%bc%b8%e3%81%b3%e3%82%8b%e3%83%96%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%87%e3%82%a3%e3%83%b3%e3%82%b0/

そのパッケージは、極限まで情報を削ぎ落とし、商品名と最低限の説明だけで成立しています。
透明な素材を活かし、中身を見せることで信頼を担保する設計。

色に頼らずとも、ブランドとして成立しているどころか、
むしろそれが個性として確立されている。
語りすぎないこと、見せすぎないこと。その静けさの中に、強い意志が宿っている。
モノクロとは単なる制約ではなく、「何を残すか」という問いを突きつけてきます。
情報の精査はデザイナーとして常に頭に入れておかないといけないことですよね。

 

削ることで、見えてくるもの

近年、ロゴデザインの世界でも「そぎ落とす」動きが加速しています。
マクドナルドやスターバックスなどのグローバルなブランドは、
ロゴの要素を削ぎ落とし、よりシンプルな形へとリデザインを進めていて

「情報過多の時代において、強さとは“足すこと”ではなく、“引くこと”にある」
今回のナフサ不足によるそぎ落としもその一つだと思います。

意図的ではない制約の中で、どれだけ本質的なデザインができるか。

そんなことが出来るのはとてつもない認知度と力のあるブランドだからこそなせるワザなきがしますが、デザイナーにとって避けては通れないテーマになるはずです。

 

 

色がなくても、伝わるか?

色が使えない。
それは一見、表現の自由を奪われたようにも感じます。
しかし、本当にそうなのかな〜と。
色がなくなったとき、形や構造、余白、タイポグラフィの力が露わになる。
そこにこそ、デザインの根源的な力があるのではないか。

常日頃からアルジュナではモノクロ使用を想定したロゴ制作をしています。
どんな媒体でも視認性が損なわれないように。そして力を持つように。

今回の状況は決してポジティブなものではありません。
けれど、この制約の中で生まれる工夫や挑戦は、きっと次の時代のスタンダードをつくっていくはずです。

色が消えた世界で、デザインは何を語るのか。
その問いに向き合うこと自体が、いまの時代のデザインなのかもなと思うところです。