みなさんこんにちは。
長崎のブランディングデザイン事務所「アルジュナ」のスタッフ宮﨑です。
ニット帽を被るのが日課になっている今日この頃の僕。
毎朝「今日はどれにしようか」と悩む時間も、ちょっとした楽しみだったり…
とはいえ、現実はわりと単純。
結局いつも手に取ってしまうのは、東京土産でもらったMARVELのロキのニット帽🐊
おしゃれ着洗いを重ねすぎて、だいぶ年季が入ってきました。
20個近くあるのに、ローテはほぼ3つ。
人は選択肢が多いほど、選べなくなるもので…
それを「ジャムの法則」っていうらしいです。
シーナ・アイエンガー教授の実験で、24種類のジャムより6種類のジャムの方が購入率が大きく上がったとか。
場面によるブレブレの法則らしいですが、
行動経済学でいう「選択過多」の話で、選択肢が増えるほど人は合理的になるどころか、
むしろ「決められなくなる」傾向があるそうです。
理由はいくつかあって、
・比較するのが増えて疲れる
・「もっといいのがあるかも」と迷いが増える
・選んだ後に「失敗したかも」という後悔を想像してしまう
結果として、「選ばない」という選択をしてしまう。
さらに面白いのは、人は「選びたい」と思っているのに、「選べない状況」に弱いということ。
自由が増えるほど満足度が上がるどころか、逆にストレスになるという、ちょっと皮肉な構造。
僕は確かにな…と思うところもあり。
デザイン提案にも通じる話。
「いっぱい出す=親切」ではなく、「違いが明確な数案に絞る」ことの方が、クライアントさんたちはむしろ選びやすい。
松竹梅の法則!で言うなら、ちゃんと「松と竹と梅」になっているか。
地味に大事。
そんな「選択の話」をしておいてなんなんですが、
世の中には「選択肢が多いのに、ついつい買ってしまうブランド」があります。
それが

僕もちゃっかり持ってます。
Yohji Yamamotoとのコラボバッグ、
PlayStationとのコラボキャップなどなど。
で、思うわけです。
「コラボしすぎじゃない?」
ファッション、スポーツ、ゲーム、アニメ…。
やりたい放題してるな〜と。でもなぜか信頼感がある。
今回はそんなニューエラの戦略のことについて記事を書いてみたいと思います。
●コラボの正体は「拡張」ではなく「翻訳」
普通、コラボってブランドを「広げる」ためにやりますよね。
その根幹はニューエラも同じだと思います。
でもニューエラは、ちょっと違う気がしてて…
野球のキャップという文脈を、
ストリートへ、モードへ、ゲームへとどんどん「翻訳」していく。
どんな文化にも適応できる「型」をしっかり持っているから。
どこに行ってもニューエラはニューエラのまま。
ロゴもシルエットも、「あ、ニューエラだ」と分かる。
これってつまり、
コラボしてもブレない。
むしろコラボするほど、軸が強く見えてくる。
ほんと強い。
●上場しないからできる「遠回りの強さ」
ここで大きなポイント。
ニューエラは非上場企業。
つまり、短期的な利益や株主の目線に縛られにくい。
これが何を生むかというと、
「すぐ儲からなくてもやる価値がある」ことに挑戦できる。
ちょっとニッチなコラボの企画なんかして未来への投資が出来る。
こういう「遠回り」ができる。
普通は効率が悪い!お金の無駄!と切り捨てられるところを、
ちゃんと拾って、育てていく。
そんなことが続けられるから
あらゆるカルチャーに「顔が効くブランド」になる。
ボディーブローのようにじわじわ効いてくるタイプの強さ。
気づいたら、どこにでもいる。
その自由さのために上場企業にあえてならない!!!
最近びっくりしたのがニューエラの自販機。

空港とかに設置されててキャップが自販機で売られてる。
「どんだけ手広くやるんだよ!」って思ってしまいました。
店舗やネットじゃなくても買える。
買える場所を拡張することで「ブランドとの接点」を増やしている。
偶然の出会いでニューエラが買えるってすごい戦略だなと。
「コラボで文脈を増やし、自販機などで接点を増やす」
本当に抜け目がない。
●コラボしすぎ!なのにブランドの軸はぶれない理由
普通、コラボが増えるとブランドは薄まるなと感じます。
でもニューエラは逆。
どんどん「濃く」なっていく。
その理由はシンプルに、絶対に軸を崩さないから。
型を守る、ロゴの存在感は失わさせない。何より品質を落とさない。
つまり、
相手に寄るけど、迎合しない。
この距離感が絶妙すぎる。
そりゃ強い。
●コラボは数じゃなく、意味
「コラボしすぎじゃない?」と思っていたけど、
分析していくと見方は変わって…
ニューエラは「コラボを増やしている」んじゃなくて、
「接点を増やしている」。
文化との接続、ブランドの翻訳、接点の拡張
全部つながってる。
ニット帽を3つで回している僕が言うのもなんですが、
本当に強いブランドって、
「どこにいても成立する」
これに尽きる気がします。
ニューエラは、どの文脈でも自然に存在できる。
だからこそ、コラボしても、自販機になっても、ブレない。
むしろ、どんどん強くなる。
…とりあえず、ロキのニット帽からは一旦離れて…
この春はニューエラのキャップでも被ろうかなと思います。
