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ボールペン偏愛論

ボールペン偏愛論

こんにちは。長崎のブランディングデザイン事務所「アルジュナ」の宮﨑です。
小学生の頃は鉛筆、シャープペンシルで文字を書くのが当たり前。
僕がボールペンを最初に意識したのは、「書く道具」としてよりも「戦う道具」としてでした。
小学生の机の上では、キャップを飛ばす・バネを引き伸ばして連射する・消しゴムを弾にする、といったカスタム改造バトルが日常茶飯事。
分解しては組み直し、消しゴム飛ばしの勝負でボールペンを使い、バネをちょっと改造して戻りを強化し、より勢いよく飛ばす。
「どこまで強力に飛ばせるか」で腕前が測られる。
一種の「理系ごっこ」と「武器開発ごっこ」と「攻め守り」が混ざった遊び場でした。

アメリカの映画ではCIAの隠し武器としてボールペン型ナイフやスパイガジェットが登場するし、
護身用に「タクティカルペン」という、ほぼ凶器みたいな金属製ボールペンが実際に販売されていますし。
ボールペンは、子どもの机上バトルからスパイ映画まで、さりげなく「武器」としての顔を持ち続けています。
もちろん僕らにとっては、せいぜい消しゴム飛ばしで先生に怒られるレベルの「無害な戦争」でしたけど。

消しゴムバトルを卒業して、ようやく「書く」ことに向き合うようになってから、

ボールペンは単なる筆記具ではなく「小さな球体が世界を支配する仕組み」だと気づく今日この頃。今回は、ボールペンの歴史や機能性・デザイン性を踏まえて記事を書いていこうと思います。

●「ボールペン」という妙な名前

子どもの頃、「なんでボールペンなんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
野球ボールでもサッカーボールでもなく、わずか1mmにも満たない金属の球。
その球が「インクを紙に転がす仕組み」がこの名前の由来です。
つまりボールペンは、ペン先に仕込まれた極小ベアリングで世界を変えた筆記具。
…そう考えると、やはりメカニカルで少年心をくすぶる。

●ボールペンの誕生は新聞記者の不満から

ボールペンを発明したのは、ハンガリーのジャーナリスト、ラディスラオ・ビロ。
彼は万年筆で記事を書きながら「乾きが遅い」「インク漏れで台無し」というストレスを抱えていました。
そこで新聞印刷用の速乾インクにヒントを得て、小さなボールで紙にインクを転がす仕組みを考案。
1938年に特許を取ったものの、当時の人々には「こんなに太い字は嫌だ」と不評。
でも第二次世界大戦中、アメリカ軍が「過酷な戦場でも使える」と採用したことで一気に広がったそうです。
つまりボールペンは、戦場の泥と砂の中から普及した実用道具だったわけです。

 

●書き味は「ボール径」で決まる

マイナーな視点ですが、ボールペンの世界を語るなら「ボール径」を避けて通れません。
0.7mmは日本では「太い」とされますが、ヨーロッパではむしろ標準。
0.38mmは「細かすぎる」と嫌われがち。書き味の違いは“文化”の違いでもあるんです。
ちなみに僕は0.5mm派。0.38はシャープすぎて手帳の紙を傷める感じがするし、0.7はノートが油っぽく見える。…こういうこだわり、わかってくれる人がいると嬉しい。

●消えるボールペン「フリクション」の裏側

「フリクションで書かれたものは受け付けません」
試験会場や公的書類でよく見かける注意文。
これ自体が、フリクションの普及を物語っていますよね。
仕組みは単純で、摩擦熱でインクの色素を透明にするだけ。
だから冷凍庫に入れると、消したはずの文字が復活するという小ネタショート動画みたことがあります。
「ボールペンなのに消える」というギャップは、やはりインパクト大です。

●油性インクの王者「ジェットストリーム」

一方で、社会人人気ナンバーワンのボールペンと言えばジェットストリーム。
油性インクのクセに「油性らしさ」を感じさせない滑らかさ。
キャッチコピーの通り、クセになる。しかも速乾性で左書きでも書きやすい設計ですごく重宝します(左利きにやさしい)
ただしインクの減りは早いのが難点。替芯のストックを机に忍ばせておかないと「肝心なときに書けない」悲劇が起こることもあったり。
そういったものも含めてジェットストリーム体験の一部なのかもしれません。

●LAMYとジェットストリームの交差

ドイツのデザインブランド「LAMY」とジェットストリームがコラボしたときは、「ついに来たか!」と震える社会人も多かったのでは無いでしょうか。

LAMYの直線的で無駄のないフォルムに、ジェットストリームのインク。実用とデザインの融合です。

ただし、お値段はちょっと高め。コンビニで気軽に買えるジェットストリームとは違う「所有する喜び」を味わえる一本。

デスクの上に置くだけで気分が上がるのは、もう筆記具というよりアクセサリーに近い存在です。

●偏愛こそがボールペンの楽しみ方

ドイツのデザインブランド「LAMY」とジェットストリームがコラボしたときは、「ついに来たか!」と震える社会人も多かったのでは無いでしょうか。

LAMYの直線的で無駄のないフォルムに、ジェットストリームのインク。実用とデザインの融合です。

ただし、お値段はちょっと高め。コンビニで気軽に買えるジェットストリームとは違う「所有する喜び」を味わえる一本。

デスクの上に置くだけで気分が上がるのは、もう筆記具というよりアクセサリーに近い存在です。