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五感で楽しませるボードゲームのデザイン

五感で楽しませるボードゲームのデザイン

みなさんこんにちは、
長崎のデザイン事務所「デザインアルジュナ」のスタッフ、宮﨑です。

最近、電車に乗っていると、ちらっと見えたスマホ画面で「ポケポケ」をやっている人の多さに驚かされます。
みなさんはゲームをやりますか?
自分はスマホゲームやテレビゲームはあまりやらないのですが……。

そんな自分でも、年始に10年ぶりくらいに友達とボードゲームで遊んだら、思いのほか盛り上がってしまいました。
(ご近所さんには迷惑だったかもしれないと反省しつつ)
その時プレイしたのは「カタン」
ボードゲーム好きの間では超有名らしいのですが、
自分はその時初めて知りました。

無人島「カタン島」を舞台に、資源を集めて街を発展させていき、
先に10ポイント獲得したプレイヤーが勝ち。
資源を交易したり、時には奪い合ったり……
まるで人類の歴史そのものを体験しているような奥深さがあり、
気がつけば何時間も遊んでしまいました。

⚫︎五感で味わうボードゲームの楽しさ

ボードゲームの魅力は、五感で楽しめることにあると思います。
サイコロを振る感触、駒を動かす手触り、視覚的な美しさ、
そして何よりも、プレイヤー同士の駆け引きが生み出す偶然性。
デジタルゲームでは味わえない「リアルなインタラクション」が、
遊びの体験をより濃厚なものにしているのかもしれません。
僕は子供頃に遊んでいたワンピースドンジャラの配役を今でも覚えています。

デザインの観点から見ると、ボードゲームって「ビジュアルの力」が重要なんじゃないかなと。
ボードのデザイン、カードのイラスト、駒の形状、色彩設計……。
視覚的な情報がゲームの没入感を左右するからこそ、
優れたデザインはプレイヤーの想像力を掻き立て、
ルールの理解を助け、遊びの楽しさを倍増させるんじゃないかと。

 

たとえば「カタン」のデザインでいえば、
色分けされた資源カードや、六角形のタイルが生み出す視覚的リズムが秀逸。
戦略性と直感的な理解を両立させる工夫が随所に感じられます。

では、ボードゲームのデザインのルーツを探ってみたいと思います。

⚫︎ボードゲームの歴史

世界最古のボードゲームが何か、ご存じですか?
その名も「セネト」。

古代エジプトで誕生し、ツタンカーメン王の墓からも発見された、
最も古いボードゲームのひとつです。

『セネト』はエジプト語で「通過」を意味していて
ゲームボードを死後の世界に見立て、
コマ=魂を動かしながら成仏を目指すレースゲーム。

デザインの視点から見ると、
このゲームは「抽象化の美学」に優れています。
単純なマス目の構成とシンボルによって、
「死後の旅路」という壮大なテーマを表現する発想力。
こんな感じにボードゲームには「グラフィックの力」が詰まっていると感じます。

そして、この『セネト』のゲーム性
「サイコロを振ってコマを進め、ゴールを目指す」
という基本構造は、現代のボードゲームにも脈々と受け継がれています。

例えば、「人生ゲーム」や「すごろく」など。
シンプルなルールの中に、プレイヤーの運や戦略が絡み合い、
視覚的なデザインが加わることで、何千年もの時を超えて愛されているんじゃないかと思います。

⚫︎アナログならではのデザインの力

ボードゲームは、まさに「アナログならではのデザインの力」が試される領域。
美しいグラフィックと、心を掴むゲーム性の融合が、
これからも新しい名作を生み出していくのではないでしょうか。

現代のボードゲームにおける「デザインの役割」について、
もう少し深掘りしてみても面白いかもしれないなと思ってます。

みなさんは、お気に入りのボードゲームはありますか?
デザインの視点で見ると、また違った魅力が発見できるかもしれませんよ!