皆さんこんにちは。
アルジュナスタッフの宮崎です。
みなさんは「麻雀」やったことありますか?
一度もやったことがない人にとっては、少しハードルの高いゲームに感じるかもしれません。
かくいう僕も、その一人で。
「役を覚えるの無理だ〜」
「ルールも複雑そう〜」
そんなことを思いながら、なかなか麻雀の世界に踏み出せず……。正直、今でもルールをまともに知りません。
知っているのは、せいぜいドンジャラくらい。
昔、実家で兄弟たちと「ワンピース」のドンジャラをして遊んでいた記憶があります。
牌の絵柄や、「この組み合わせでこの役!」という配置は、思い出そうとするとなんとなく頭に浮かんでくる。
なのに麻雀になると、急に難しく感じる。
最近になって友達から「麻雀やらない?」と誘われることもあったのですが、
「いや〜、ルール知らんけん厳しい」
と、恥ずかしながら断っていました。
でも、なぜか頭の片隅にはずっと、
「麻雀できるって、なんかかっこいいな〜」
という感情がありました。
ルールも知らない。
打ったこともほとんどない。
それなのに、どこか気になる。
○ふと浮かんだ「役満」
そんなことを考えていたタイミングで、「ZINE FES」というイベントに参加する機会がありました。
せっかくなら個人の「好き」をZINEにしてみよう。
作字を見るのも好きだし、作るのも好き。
だったら今回は作字をやろう。
そう思い、何を題材にするか考えていたときでした。
ふと、麻雀の役が頭に浮かんだんです。
「そういえば、麻雀の役ってかっこよかったな」
調べてみると、
国士無双。
大三元。
四暗刻。
…字面が強い。
コクシムソウ。
ダイサンゲン。
スーアンコー。
…響きも強い。
「あ、これ好きだ!」と、なりました笑
そして麻雀の役には、中国の文化や思想、歴史的な言葉、自然観など、さまざまなイメージが重なっていて
単なるゲーム上の名前ではなく、その言葉そのものに背景や物語がある。
そんな麻雀の役の中でも、特に心を惹かれたのが「役満」でした。
今回は、そんな役満の意味と面白さを、僕が作字した作品とあわせて少しご紹介したいと思います。
これが、想像以上に奥深いんです。
○国士無双 コクシムソウ

まずは「国士無双」。
これは、「並ぶ者がいないほど優れた人物」という意味を持つ言葉です。
国を代表するほど優れた人物が、天下にただ一人しかいない。
そんな圧倒的な存在感を持った言葉です。
麻雀でも、数ある役の中で特に有名な役満のひとつ。
意味を知ったうえで文字を見ると、一文字一文字の存在感まで違って見えてきます。
まさに、その名のとおり。
並ぶもののない、孤高の存在。
○大三元 ダイサンゲン

「大三元」は、白・發・中という三つの牌を集めて完成する役満です。
「大」「三」「元」という、わずか三文字。
それなのに、とにかく迫力がある。
「大」というスケール感。
「三」という数字の安定感。
そして「元」という、どこか根源的な響き。
ルールを詳しく知らなくても、名前だけで「これは強いやつだな」と伝わってくる気がします。
作字をする上でも、この短く力強い言葉のバランスがとても印象的でした。
○九連宝燈 チュウレンポウトウ

「九連宝燈」は、九つの連なりと「宝の灯」という、とにかく名前からして美しい役満です。
「九」という数字が持つ完成や極みのイメージ。
そこに「宝」と「燈」が加わることで、どこか神秘的で、光を感じる言葉になっています。
暗闇の中に連なる九つの灯。
そんな情景を想像すると、麻雀の役というよりも、
ひとつの物語のタイトルのようにも感じますね。
○緑一色 リューイーソー

「緑一色」は、その名のとおり、緑色の牌だけで構成される役満。
意味はとっってもシンプルなのに、言葉としての印象が強い。
「緑」という色を、一色に染める。
色彩そのものが役の名前になっているのが面白い!
他の役満とは少し違い、自然や生命力、静けさなど、見る人によってさまざまな景色を想像できる言葉。
作字にするときも、「緑」という一文字が持つイメージを意識したくなる役でした。
○字一色 ツーイーソー

「字一色」は、数を表す牌ではなく、「字牌」と呼ばれる牌だけで構成される役満です。
文字だけでつくられる役。
これ、作字好きとしてはかなり惹かれるポイントでした。
「字」が「一色」になる。
言葉として見ると、まるで文字だけで世界をつくるような響きがあります。
作字という表現も、文字そのものを見つめ、形にするもの。
だからこそ、この役には個人的にどこか親近感が湧きました。
○四槓子 スーカンツ

「四槓子」は、麻雀の中でも非常〜に珍しいとされる役満です。
「四つ」を意味する「四」。
そして、専門用語である「槓子」。
正直、ルールを知らない僕にとっては、最初は意味がよくわかりませんでした。
見慣れない漢字が並ぶことで、一気に専門性と異世界感が生まれる。
「槓」という文字の形そのものも独特。
○清老頭 チンロウトウ

この名前を初めて見たとき、麻雀の役だとは思いませんでした。
どこか古典に出てきそうな響き。
「清」は澄んだ美しさ。
「老」は長い時間。
「頭」は、その先に立つもの。
漢字を一文字ずつ眺めるだけでも、どこか歴史や風格があります。
麻雀の専門用語でありながら、言葉として独立した世界観を持っている。
個人的に推し役満。
○地和 チ—ホー

空ではなく、地。
そして「和」。
大地と調和。
そんな言葉から、どこか自然や宇宙の大きな流れを感じさせる役です。
実際には非常に限られた条件でしか成立しない特別な役ですが、名前だけを見ると、とても穏やかです。
強い役なのに、どこか静か。
短いからこそ、余白がある。
シンプルだからこそ奥行きを感じます。
○天和 テンホー

そして「天和」。
天と和。
この二文字だけで、もう何かすごいことが起きそうです。
「天」という圧倒的なスケール。
そこに「和」という穏やかな文字が組み合わさることで、神秘的な雰囲気が生まれます。
地和と並べることで、さらに面白い。
天と地。
対になるような二つの言葉が、それぞれ特別な役として存在しています。
○四暗刻 スーアンコー

そして「四暗刻」。
「四つの暗刻」という麻雀のルールに基づいた名前ですが、言葉として見るとどこか静かで、重厚です。
特に「暗」という漢字。
この一文字が入るだけで、一気に光のない世界が広がります。
静かな闇。
積み重なる四つの刻。
○背景を知るとおのずと興味は湧いてくる
英雄のようなもの。
宇宙を感じるもの。
静寂を感じるもの。
自然を感じるもの。
同じ「麻雀の役」でありながら、それぞれがまったく違う物語を持っている。
それが、役満の面白さなのかもしれません。
ルールを知らないからこそ、想った麻雀の良さのように思います。
正直に言うと、卓もまだしっかり囲んだことがありません。
役を聞かれても、全部答えられるわけではありません。
でも、だからこそ「言葉」から麻雀に入れた気がしています。
ルールから入る人もいる。
ゲームとして楽しむ人もいる。
勝負の駆け引きが好きな人もいる。
そして僕の場合は、文字から麻雀の世界に入っていった。
「国士無双」という文字がかっこいい。
「大三元」という言葉の迫力が好き。
「四暗刻」という字面に、静かな強さを感じる。
そんな入り方があってもいいんじゃないかと思っています。
○知らない世界に
知らない世界に触れるとき、必ずしも全部を理解してから好きになる必要はない。
ひとつの言葉。
ひとつの形。
ひとつの記憶。
そのどれかが入口になって、気づけばその世界を少しずつ知っている。
今回の役満の作字も、まさにそんな制作でした。
役満を「読む」のではなく、「眺める」
今回、ZINE FESで制作・販売したのは、麻雀の攻略本ではありません。
麻雀のルールを学ぶための本でもありません。
これは、役満という言葉と、その文字のかたちを眺めるための小さなZINEでした。
力強く見える文字。
静かに見える文字。
鋭く見える文字。
どこか神秘的に見える文字。
役満という言葉には、もともと強い物語性があります。
だからこそ、その言葉をどう「見せるか」を考える時間が、とても楽しかった。
麻雀を知らない僕が作ったからこそ、ルールの正しさよりも、まず言葉そのものの魅力を見つめることができたのかもしれません。
これから麻雀を覚えないといけません。笑
でも、以前のように「難しそうだから自分には関係ない」と思うことはなくなりました。
○きっかけは何でもいい
ながながと語ってしまいましたが、
文字から役を知る。
役から意味を知る。
そして、麻雀を知る。
ハマる。
何かにハマるきっかけなんて、たいした理由じゃなくていいと思います。
「なんか気になる」
「名前がかっこいい」
「文字が好き」
そんな小さな興味から、知らなかった世界が少しずつ広がっていく。
そんな順番も、悪くないと思っています。
あと役を読めるだけでもなんかかっこいい…笑
