みなさんこんにちは!
長崎のブランディングデザイン事務所、アルジュナの樋口です。
最近は甘い物を控えて、身体を絞ろうと意気込んでいましたが、3日坊主。。。ガリガリ君を食べてしまいました。
今回は、デザインの基礎について書いてみようと思います。
デザインというと、センスや感覚のようなものが必要だと思われることがあります。
もちろん、感覚も大切です。
けれど、デザインは感覚だけでつくられるものではありません。
文字の大きさを考える。
どこに置くのかを考える。
何を最初に見せて、何を次に読ませるのかを考える。
私たちが感じる「見やすい」「わかりやすい」「美しい」という印象は、情報をきちんと整理することでつくることができます。
その基本となるのが、近接・整列・反復・対比という4つの原則です。
この4つを意識するだけでも、デザインはずいぶん変わります。
そして、受け手への伝わりやすさも大きく変わってきます。
近接|関係のあるもの同士を、近づける
商品の写真があり、その下に商品名と価格が書いてあります。
写真と商品名の距離が近ければ、私たちは自然に、
「これは、この商品の名前だ」と理解します。
ところが、その商品名よりも別の商品写真のほうが近くにあったら、どちらの説明なのか、一瞬迷ってしまいます。
この情報同士の関係をつくるのが「近接」です。
関係のある情報は近くに。
関係の薄い情報は離す。
とても単純なことのようですが、人は文字を読むより前に、「距離」によって情報の関係を判断しています。
情報を整理するとき、最初に考えたいのは、それぞれの情報の「仲間」を見つけることです。
そして、ここで重要になるのが余白です。
余白は、何もない場所ではありません。
情報を近づけることで関係をつくり、離すことで境界をつくる。
つまり余白そのものが、情報と情報の関係を伝えているのです。
デザインにおいて、余白はとても大切な情報のひとつです。
整列|見えない線をつくる
文字や写真が少しずつ違う位置に置かれていると、ひとつひとつはきれいでも、全体を見るとどこか落ち着きません。
たとえば、見出し、本文、写真の左端が一本の線に沿って揃っている。
それだけで、そこには美しい秩序が生まれます。
実際には印刷されていなくても、デザインの中にはたくさんの「見えない線」が存在しています。
左端を揃える。
中央を揃える。
写真の上端を揃える。
文字の基準線を揃える。
どこを基準にするのか。
その線を意識できるようになると、レイアウトは大きく変わってきます。
基準を決めて情報を整理すると、見る人は迷わず視線を進めることができます。
そして、それは可読性にもつながります。
整列とは、ただ位置を揃えることではなく、情報の中に、見えない秩序をつくることです。
反復|同じものを繰り返し、「らしさ」をつくる
書体・色・見出しのデザイン・余白のバランス・写真のトリミング方法など
同じ要素やルールを繰り返して使うことを「反復」といいます。
何ページもあるパンフレットで、ページごとに見出しの書体も、色も、位置も違っていたらどうでしょう。
自由で楽しいようにも見えますが、読み手はページをめくるたびに、
「ここでは、どれが見出しなのだろう」と判断し直さなくてはいけません。
一方で、見出しの位置や文字の大きさ、余白などに一定のルールがあれば、
一度理解した規則のまま読み進めることができます。
反復には、情報を読みやすくする役割があります。
そしてもうひとつ、とても大切な役割があります。
それが、「らしさ」をつくることです。
同じ色・同じ文字・同じ余白・同じ写真。
そうした小さなルールを何度も目にしているうちに、人は名前やロゴを見なくても、
「あの会社らしい」「あのお店らしい」と感じるようになります。
ブランドは、大きなロゴひとつでつくられるものではありません。
小さなルールを、長い時間、丁寧に繰り返していく。
その積み重ねが、やがて「らしさ」になっていくのだと思います。
対比|違いを、はっきりさせる
大きな文字と小さな文字、太い文字と細い文字、濃い色と薄い色。
要素に差をつくることで、情報には優先順位が生まれます。
たとえば、見出しが18ポイントで、本文が16ポイント。
もちろん違いはありますが、見る人にとっては、その差がほとんど感じられないかもしれません。
変えるのであれば、思い切って変える。
36ポイントと10ポイント、太字と細字。
はっきりとした違いがあるからこそ、
「ここを最初に見てください」という意図が伝わります。
よいデザインは、すべてを目立たせるわけではありません。
大切なものを強くするために、それ以外のものを落ち着かせる。
対比とは、派手にすることではなく、情報に強弱をつけることです。
そして、その強弱があるからこそ、見る人の視線に順番が生まれます。
4つの原則は、すべてつながっている
ここまで紹介した、近接・整列・反復・対比。
この4つは、それぞれが独立して働くものではありません。
関連する情報を近づける。
基準を決めて揃える。
同じルールを繰り返す。
重要な部分には、はっきりと差をつける。
それらが同時に働くことで、情報の中に自然な秩序が生まれていきます。
近接は、関係をつくる。
整列は、秩序をつくる。
反復は、一貫性をつくる。
対比は、優先順位をつくる。
この4つを丁寧に考えるだけでも、デザインはずいぶん変化します。
そして、不必要な装飾を少しずつ取り除いていくと、本当に伝えたかったものが見えてきます。
デザインとは、何かを飾ることではなく、ものごとの関係を整える行為なのです。
