みなさん、こんにちは。
長崎のブランディングデザイン事務所、アルジュナの樋口です。
最近は福岡へ行く機会が多く、仕事の合間に美味しいお店を探すことが、ちょっとした楽しみになっています。
今回は、仕事を通して学んだロゴデザインの考え方と、福岡の都市再開発について書いてみたいと思います。
天神ビッグバンとは?
みなさんは、「天神ビッグバン」をご存知でしょうか。
現在、福岡の中心地である天神が、大きく姿を変えようとしています。
天神ビッグバンとは、福岡空港に近い天神エリアならではの建物の高さ制限や、老朽化したビルの建て替え課題を背景に始まった都市再生プロジェクトです。
その特徴は、単に新しいビルを建てるだけでなく、オフィス、商業施設、ホテル、広場、地下通路、歩行者空間などを一体的につなぎ直し、天神という街の使い方そのものを一新していく点にあります。
すでに天神ビジネスセンター、福岡大名ガーデンシティ、ONE FUKUOKA BLDG.などが開業しており、他にも複数の再開発プロジェクトが進められています。

この間、夜の天神を歩いたら、海外の人も含めすごい人混みで経済の発展をすでに感じました。
老朽化したビルを、耐震性の高い先進的な建物へ建て替えることで、まちの安全性を高めるだけでなく、新たな環境、雇用、経済活動を生み出していくことで、経済活動による波及効果は約1兆8,900億円、雇用効果は約59,000人と推計されています。
天神という都市が持つ価値や印象を見つめ直し、これからの時代にふさわしいブランドとして再設計していくことでこれからの天神が大きく変化していきます。
ロゴデザインの心得
企業や商品のロゴをつくるとき、ただ美しい形をつくるだけでは独りよがりのものになってしまいます。
企業の特徴、大切にしてきたもの、これから向かおうとしているビジョン、社会の中でどのような役割を担うのか。
そうした背景にある想いを一つひとつ読み解き、形や言葉へと凝縮していきます。
そうして生まれたロゴは、単なる記号ではなく、
その企業や商品を一瞬で印象づける、シンボルになります。

その街らしさ
駅を降りた瞬間に感じる、その街だけの空気感。
歩道のゆとり、建物の高さ、看板の密度、人の流れ、休憩できる余白、シンボリックな待ち合わせ場所。
そうした一つひとつの要素が重なり合い、「その街らしさ」は形づくられていきます。
都市は、ただ建物が集まった場所ではありません。
そこに暮らす人々の記憶や行動、積み重ねられてきたものによって印象づけられた、大きなブランドでもあります。
新しいビルを建て、きれいな広場を整備し、歩道を広げ、緑を増やし、機能を高める。
もちろん、それらは都市にとって大切なことです。
しかし、それだけでは本当の意味での「街らしさ」は生まれません。
どこにでもあるような風景になってしまえば、都市は便利になっても、人の記憶には残りにくくなります。
大切なのは、その街がもともと持っている価値や印象を見つめ直し、次の時代にふさわしいかたちへと丁寧に更新していくことです。

想いをのせる
都市開発とは、これまでその街に積み重ねられてきた人々の想いをくみ取りながら、次の時代にふさわしい姿へと街を更新していくことなのだと思います。
ロゴもまた同じです。
背景や想いがきちんと宿っていれば、見た人は説明されなくても、自然とその意味を感じ取ることができます。
街もロゴも、表面的に美しいだけでは永く残りません。
そこにある背景や想いが丁寧にかたちになっているからこそ、「らしさ」を纏い、多くの人に愛されていくのだと思います。
記憶に残り、未来へ受け継がれていくもの。
永く愛されるものには、いつも目に見えない想いが宿っています。

