みなさんこんにちは。
長崎のブランディングデザイン事務所、アルジュナの樋口です。
正月に誕生日とおいしいものが続き、完全にエンジンが温まるまで少し時間がかかっています。
とはいえ、そろそろ書き始めどき。
今年もよろしくお願いします!

今回は「映画」について書いてみようと思います。
「好きな映画は?」と聞かれると、以前は少し身構えていました。
名作を挙げるべきか、通っぽい一本を選ぶべきか。
気づけば、小さなマウントをとる体勢に入っていた気がします。
以前、仲の良い友人に同じ質問をしたとき、迷わず「ホーム・アローン」と答えていました。
理由を聞くと「何回観ても楽しいから」。
そのシンプルさが、飾らなくていいなと感じました。
最近は「好きな映画は?」と聞かれたら、
そのときいちばんハマっている作品を、素直に答えるようにしています。
映画の好みはわりと雑食です。
アクションもドラマもホラーもアニメも、気になればとりあえず観てみる。
「これが人生で一番好きな映画です」と即答できる一本はなく、その時々の気分で自然と観たい作品が変わります。
学生の頃、映画を観るという行為は、今よりずっと特別でした。
公開日を待って、友達と時間を合わせて、劇場に向かう。
千と千尋の神隠しをお小遣いを握りしめて観にいったのを覚えています。
当時は独特の緊張感や高揚感がありました。
サブスクが当たり前になった今、映画は驚くほど身近な存在になりました。
観たいと思えばすぐ再生できて、シリーズものの続きも、借りに行かずボタンひとつで観られる。
便利になった一方で、忙しいときに1.5倍速で観たり、一本の映画ときちんと向き合う時間は少し減った気がします。

NetflixやAmazon Primeなどの配信サービスのオリジナルドラマは完成度がとにかく高く、
映画一本分の熱量を、何時間にもわたって味わえる贅沢さがあります。
最近はNetflixオリジナルドラマ『ストレンジャー・シングス』を、
エピソード1から4まで一気観してしまいました。
残りのエピソード5は最終回なので、ゆっくり大切に観たいと思います。
このドラマは80年代のインディアナ州ホーキンスを舞台に、
超能力少女イレブンと仲間たちが「裏側の世界」の怪物や政府の陰謀と戦うSFホラー作品です。
髪型・ファッション・音楽など、当時のポップカルチャーへのオマージュがふんだんに盛り込まれていて、
懐かしくも可愛らしい雰囲気は、日本人ですが真似したくなります。

ストーリー自体は不穏でホラー要素も強いのに、
友達や家族の強い絆、愛、成長を描いたハートウォーミングな描写もあり、怖さだけが残らない。
単純なホラー映画とはまったくの別物です。
毎回「次どうなるんだ…」と再生を止めるのがつらく、
気づけば寝る時間が遅くなってしまいます。
まだ観ていない方は、ぜひチェックしてみてください。
サブスクで何を観るか考えるとき、俳優で作品を探すことがあります。
役所広司さんはそのひとりで、気づくとジブリ作品のように繰り返し観ている映画には、彼が登場しています。
実家には父が録りためた映画のビデオテープが大量にあり、その中にあった
今村昌平監督の『うなぎ』、伊丹十三監督の『タンポポ』、周防正行監督の『Shall We ダンス?』。
渋いラインナップですが、今でも大好きな映画です。
近年では、西川美和監督の『すばらしき世界』や、ヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』が強く印象に残っています。
『PERFECT DAYS』は、渋谷の公衆トイレ清掃員として働く主人公の日常を描いた映画です。
毎日同じ時間に起床し、古いカセットテープを車で聴き、トイレを掃除し、銭湯へ行き、居酒屋で食事をする。
そんな丁寧で規則正しい生活の描写に、60〜70年代の素敵な音楽が重なり、観る者に心地よさを与えてくれます。

カセットテープで毎日音楽を楽しむ主人公が、SPOTIFY(音楽のサブスク)の場所を若者に尋ねるシーンがあり、
今でこそ不便に感じるアナログの時代には、現代とは異なる豊かさがあったのではないかと感じました。
『ストレンジャー・シングス』のように展開がめまぐるしく変わり、
心情が大きく揺さぶられる作品ではありませんが、二つの作品には共通点があります。
それは「音楽」です。
年代は違えど、パンクなのか、ジャズなのか、メタルなのか、ブルースなのか、カントリーなのか。
90年代生まれの自分の世代でなくても、不思議と情景が思い起こされ、映画の世界へと没頭できます。
改めて、自分が触れてきていない年代の音楽を聴くきっかけにもなりました。
そこから当時の音楽のジャケットデザインに触れ、色・書体・カタチからその時代の香りを感じる。
デザインのインプットは、音楽や映画、ファッションなど、
さまざまなものから吸収できるのだと、改めて実感しました。
今年は仕事以外の時間でも、いろいろなものに触れ、
そこから掘り下げていく作業を、もう一度大切にしていこうと思います。
